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Major challenges in industrial application of ultrasonic casting: Equipment-related issues

S. Komarov

2018 · DOI: 10.2464/JILM.68.219
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Abstract

超音波鋳造装置は,超音波ジェネレーター(発振機),機 械的振動を発生する振動子,その振動を音響負荷(処理対象 とする媒体)に伝達させる超音波ホーンで構成されており, ホーンを溶湯に挿入して共振周波数で強力な超音波を照射す る。 溶融金属が凝固する際に,超音波振動を付加することに よって脱ガスと凝固組織制御の効果が得られることが古くか ら知られている。この分野における最初の研究成果は,1935 年にSokolov(旧ソ連)および1936年にSeemann(ドイツ) によって報告された。Sokolovは溶融アルミニウムの金型鋳 造の実験を行い,金型に超音波振動を付加すると凝固速度が 大きくなることを初めて示した。Seemannは様々な金属を対 象にした広範な研究により,超音波ホーンを用いて,溶融金 属へ超音波振動を直接与えることで金属の凝固組織が著しく 微細化されることを初めて明らかにした。もう1つの興味深 い技術は超音波照射を利用した溶融金属の脱ガスである。ア ルミニウム鋳造の分野において,その歴史もかなり古いもの であり,最初の発表はBradfieldにより1950年代になされ た。 上述の先駆的研究以来,超音波鋳造が金属組織を改善でき る技術として注目を集め,国内外において多数の研究成果が 報告されてきた。それらの多くは大学もしくは研究機関で小 規模の装置を用いて行われた研究である。これらの成果に よって,超音波照射の基礎現象の科学的解明が多面的に進 み,溶湯の脱ガス,凝固組織形態などの機構についての理解 が深まった。また,基礎研究にとどまらず,実用的に価値の ある要素技術の開発にも大きな貢献をしてきたと言える。こ れらの結果は多数の論文になっており,レビュー およ び書籍 7), もある。 上記に加えて,超音波鋳造技術を工業的規模で利用する試 みも行われてきた。その先駆的な研究は60年以上の歴史が ある。これに対して,上記の2冊の書籍が読者にとって有用 な情報源となる。超音波鋳造の実用化のために超音波装置の 仕様が極めて重要であるということは,この時点ですでに指 摘されていた。特に,装置仕様上の問題を整理すると以下の 2つが挙げられる。第1は,超音波ジェネレーター(発振機) に関連する課題である。特に,ジェネレーターはスラブや大 径ビレットにおける大流量へ超音波処理を適用するために, 数kW程度の出力レベルで動作する必要がある。また,超音 波処理において,ホーンを溶融アルミニウムに入れた直後, ホーンが加熱され,ホーン製作に使う材料のヤング率が変化 する。これに従って共振周波数が大きく変化してしまい,処 理効率が悪くなってしまうという問題点もある。そのため, 共振周波数の自動調整機能を備えた発振機を適用し,超音波 システムの温度変化に対する安定性を確保しなければならな い。第2は,超音波ホーンの耐久性に関する課題である。超 音波鋳造では,溶融金属に強力な超音波を照射するために ホーン先端直下でキャビテーションが発生して,ホーン先端 のエロージョンが進行する。その結果,ホーンの寿命が短く なり,ホーン先端から排出された物質が液体に混入して不純 物の原因となる。したがって,超音波ホーン材料は,キャビ テーションに対する耐エロージョン性と耐食性を有していな ければならない。さらに,耐熱性と耐高温酸化性の両方に優 れた材料を用い,温度に依存しない安定した弾性をもつホー ンが求められる。上記の設計要件が求められるが,当初はこ のような発振機もホーンも存在しなかった。それが超音波鋳 造技術の実用化の遅れの主な原因であると言われる。 このような問題点があったものの,過去数十年にわたり, 技術の発達に従って多くの問題が解決されてきた。特に,新 しい強力な超音波発振機の設計技術は格段の進歩を遂げてき た。現在,産業用の10 kW以上の超音波発生システムが導入 可能となり,従来困難であった大規模な液体処理を行うこと 解説:超音波利用技術を知る