An Appearance Inspection with Defect Size Estimation based on Deep Learning Algorithm
An Appearance Inspection with Defect Size Estimation based on Deep Learning Algorithm
Y. Shiraishi
摘要
外観検査のような官能検査の分野では,人手不足とともに 機械学習を適用して自動化ができないかという大きな期待が ある 。定性的に考えれば,官能検査は人が経験によって身 に付ける検査能力であることから,機械学習で自動化への期 待が高まるのも当然である。製造業の現場の技術者に対して 実施したアンケート結果 において,AIが“どんな用途で 役立つと期待するか,実際にどんな用途に活用・導入しよう としているか”という問いに対する回答では,画像による品 質検査がトップである。第 2位の設備の予防保全も,AIを 適用して通常とは異なる状態を発見することを意味する。 我々も,この考え方のもとで,工業製品の外観検査について, 実用化を目指していくつかの試みを行ってきた。 機械学習アルゴリズムは,超大規模な非線形パラメータ フィッティングアルゴリズムとみなすことができる。ディー プラーニングの一つである Deep Neural Network(DNN)は 一般的に 7~9億個のパラメータを持つ。各パラメータは実 数値を取るため,組み合わせの個数は非可算無限個となる。 機械学習アルゴリズムは,あらかじめ用意したデータ(トレー ニングデータ)を使用してこれらのパラメータの値を決定す る“トレーニング”と,すべてのパラメータを決定して得ら れるモデルを使用して新たなデータに対して結論を出力する “推論”の 2フェーズに分かれる。ディープラーニング以前 の機械学習アルゴリズムは,人がきめ細かく調整して作成し たトレーニングデータを必要としていた。それに対して ディープラーニングの大きな利点は,トレーニングデータに 対するそのような調整は不要で,ある程度の量のトレーニン グデータがあれば自動的に特徴量を抽出し,自立的に学習が 可能な点にある,と言われている 。これは正しい面もある が,検査では不良品を 100%除外するという“検出率 100%”が強く求められること,特に不良品ワークは非常に 少ないことから,単純にトレーニングデータを増やしても不 良品のデータはほとんど増えず,性能を最適化するというわ けにはいかない。また,検出率 100%を保証することはでき ないし,機械学習アルゴリズムの理論的な解析は成果を挙げ るに至っていない。そのため,大量のトレーニングデータを 用意してディープラーニングを適用すればよい,という単純 な問題ではない。 検査問題に機械学習を適用する際の問題点は 2点ある。第 1は再現性がないことである。トレーニングデータが変わり, 再度トレーニングをすると推論結果の再現性は失われる。例 えば,現場で DNNを運用すると新たなトレーニングデータ が日々数多く得られる。それらを使用してトレーニングを繰 り返しながら推論の性能を改善したい,すなわち追加学習で ある。人が過去の学習結果をもとにさらに学習を進めて能力 を上げていくのと同様である。しかし現在,この意味での追 加学習は不可能である。一度,モデルの全パラメータをリセッ トし,新しいトレーニングデータ,またはそれを過去のデー タに追加して最初からトレーニングしなければならない。こ こで再現性が保証されず,過去に良品となったワークが不良 品となることもある。当然,トレーニング時間も増大し,コ ストパフォーマンスは低い。この追加学習を行うためには特 別なアルゴリズムが必要で,これについては現在研究段階で ある。 第 2は機械学習が結論を得るまでの過程がブラックボック ス化されていることにある。画像認識の場合,対象の画像に ヒートマップとして赤色から青色までの領域を重ね,ディー プラーニングが画像のどの部分をどの程度の重要さを持って 注目して結論を導くかを示すアプローチもある 。しかし, ヒートマップは単に注目度のみの情報で,結論を導くまでの 推論過程を示すわけではない。例えば,なぜ不良品を良品と 判断したかの理由は依然として明らかではない。これらの問 題点から,外観検査に機械学習を適用しないという立場もある。 初期の人工知能への過度な期待も落ち着き,この数年で, 人工知能,機械学習,およびディープラーニングを産業に応 用する動きは加速度的に進み,企業ではこれらに対応する組 織が実働し始めている。研究では,ディープラーニングはも とより他の機械学習アルゴリズムの適切な応用と成果が実証 され,実用化の際に検討すべき点が明らかになっている。現 ディープラーニングに基づく製品の外観検査と欠陥サイズの推定方法
