UPDF AI

An Appearance Inspection with Defect Size Estimation based on Deep Learning Algorithm

Y. Shiraishi

2020 · DOI: 10.4139/sfj.71.442
Journal of The Surface Finishing Society of Japan · 0 Zitierungen

Abstract

外観検査のような官能検査の分野では,人手不足とともに 機械学習を適用して自動化ができないかという大きな期待が ある 。定性的に考えれば,官能検査は人が経験によって身 に付ける検査能力であることから,機械学習で自動化への期 待が高まるのも当然である。製造業の現場の技術者に対して 実施したアンケート結果 において,AIが“どんな用途で 役立つと期待するか,実際にどんな用途に活用・導入しよう としているか”という問いに対する回答では,画像による品 質検査がトップである。第 2位の設備の予防保全も,AIを 適用して通常とは異なる状態を発見することを意味する。 我々も,この考え方のもとで,工業製品の外観検査について, 実用化を目指していくつかの試みを行ってきた。 機械学習アルゴリズムは,超大規模な非線形パラメータ フィッティングアルゴリズムとみなすことができる。ディー プラーニングの一つである Deep Neural Network(DNN)は 一般的に 7~9億個のパラメータを持つ。各パラメータは実 数値を取るため,組み合わせの個数は非可算無限個となる。 機械学習アルゴリズムは,あらかじめ用意したデータ(トレー ニングデータ)を使用してこれらのパラメータの値を決定す る“トレーニング”と,すべてのパラメータを決定して得ら れるモデルを使用して新たなデータに対して結論を出力する “推論”の 2フェーズに分かれる。ディープラーニング以前 の機械学習アルゴリズムは,人がきめ細かく調整して作成し たトレーニングデータを必要としていた。それに対して ディープラーニングの大きな利点は,トレーニングデータに 対するそのような調整は不要で,ある程度の量のトレーニン グデータがあれば自動的に特徴量を抽出し,自立的に学習が 可能な点にある,と言われている 。これは正しい面もある が,検査では不良品を 100%除外するという“検出率 100%”が強く求められること,特に不良品ワークは非常に 少ないことから,単純にトレーニングデータを増やしても不 良品のデータはほとんど増えず,性能を最適化するというわ けにはいかない。また,検出率 100%を保証することはでき ないし,機械学習アルゴリズムの理論的な解析は成果を挙げ るに至っていない。そのため,大量のトレーニングデータを 用意してディープラーニングを適用すればよい,という単純 な問題ではない。 検査問題に機械学習を適用する際の問題点は 2点ある。第 1は再現性がないことである。トレーニングデータが変わり, 再度トレーニングをすると推論結果の再現性は失われる。例 えば,現場で DNNを運用すると新たなトレーニングデータ が日々数多く得られる。それらを使用してトレーニングを繰 り返しながら推論の性能を改善したい,すなわち追加学習で ある。人が過去の学習結果をもとにさらに学習を進めて能力 を上げていくのと同様である。しかし現在,この意味での追 加学習は不可能である。一度,モデルの全パラメータをリセッ トし,新しいトレーニングデータ,またはそれを過去のデー タに追加して最初からトレーニングしなければならない。こ こで再現性が保証されず,過去に良品となったワークが不良 品となることもある。当然,トレーニング時間も増大し,コ ストパフォーマンスは低い。この追加学習を行うためには特 別なアルゴリズムが必要で,これについては現在研究段階で ある。 第 2は機械学習が結論を得るまでの過程がブラックボック ス化されていることにある。画像認識の場合,対象の画像に ヒートマップとして赤色から青色までの領域を重ね,ディー プラーニングが画像のどの部分をどの程度の重要さを持って 注目して結論を導くかを示すアプローチもある 。しかし, ヒートマップは単に注目度のみの情報で,結論を導くまでの 推論過程を示すわけではない。例えば,なぜ不良品を良品と 判断したかの理由は依然として明らかではない。これらの問 題点から,外観検査に機械学習を適用しないという立場もある。 初期の人工知能への過度な期待も落ち着き,この数年で, 人工知能,機械学習,およびディープラーニングを産業に応 用する動きは加速度的に進み,企業ではこれらに対応する組 織が実働し始めている。研究では,ディープラーニングはも とより他の機械学習アルゴリズムの適切な応用と成果が実証 され,実用化の際に検討すべき点が明らかになっている。現 ディープラーニングに基づく製品の外観検査と欠陥サイズの推定方法